レポート「人生はクライミング」

人生はクライミング」– VVI創立50周年記念イベント、楽しく大成功に終わる

4月19日に開かれたドキュメンタリーフィルム「Life is Climbing」の鑑賞と、主役の小林幸一郎さん(コバ)と鈴木直哉さん(ナオヤ)とのトークショーは大成功をおさめました。

会場のアルカディア・市ヶ谷は視覚障害のあるゲスト、学生やメディア関係者、CWAJのメンバーとその家族や友人など、およそ130名の参加者で満席となりました。この映画のスリル満点でユーモラスな、また心温まるシーンを皆さんが楽しんでくださいました。上映のあと、主役のおふたりとのQ&Aコーナーでは、コバさんとナオヤさんの友情や、ふたりで共にしたさまざまな経験について、更に深く知ることができました。会場との楽しいやりとりも印象に残りました。

会場には、Hands-on Artで使用された立体コピーやVVI活動の写真などが展示され、来場された方々にご覧いただきました。50年前、CWAJメンバーのグループが、視覚障害の大学生に英語の支援を始めたのですが、その最初の生徒のひとり、指田忠司(さしだ ちゅうじ)さんがおいでくださいました。彼は元アジア・太平洋視覚障害連盟の理事長であり、現在日本視覚障害者福祉協会の専務理事をされていて、視覚障害の皆さんの国際交流の基礎を築かれた方です。また昨年CWAJ視覚障害学生奨学金を受けた玉置陽菜(たまおき はるな)さんも、ご来場くださいました。

更に、今回のイベントでは、聖心インターナショナルスクールの高校生が、筑波大学附属視覚特別支援学校の生徒を含めた来場者をボランティアでガイドしてくださいました。これは特筆すべきことでした。

このイベントを通して、CWAJが視覚障害のある方々との50年にわたる交流をより多くの皆さんに知っていただく機会となったのはうれしいことです。 

★ここからは、このイベントに参加された皆さんからのコメントを一部ご紹介します。

*「ライフ・イズ・クライミング」イベント、とても楽しく参加させていただきました。特に心に残っていることは、なおやさんが「コバさんを、障害者としてではなく、対等なひとりの人間として好きで、友人でいる」と発言していらっしゃったことです。私自身全盲ですが、友人や同僚にはサポートしてもらうことが多いので「申し訳ないな」と感じることが多く、「対等な関係」を築くのはなかなか難しいと悩むこともあります。でもなおやさんの言われた、「全盲でもコバのことは信じている、命を預けられる」という言葉を忘れず、私も、私生活でも仕事でも「彼女は全盲だけど、信頼できる。任せておけば大丈夫」と思ってもらえるよう、真心を忘れず日々を過ごしていきたいと思います。

*映画もとても感動しましたし、お二人のゲストのお話が本当に楽しくて、あっという間の2時間余りでした。パラクライミングについてもモンキーマジックについても以前から知ってはいましたが、実際になさっている方から直接お話を伺ったのは初めてでした。岩登りは無理でも、インドアの壁登りならもしかしてできるかもしれない、などと思ってしまったぐらいです。
知らない世界を垣間見させていただきまして、本当にありがとうございました。

*今回、International Schoolの高校生が誘導をサポートしてくださいました。私は、ペアになった学生さんに学校の様子など聞かせていただいたのですが、日本の公立高校とはいろいろな意味で違いがあり、それを知ることができたのも興味深かったです。

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