2026 Associate Show
今年90歳を迎えた横尾忠則氏は、日本の現代美術を代表する美術家です。1960年代にグラフィックデザイナーとして脚光を浴びた後、ポップアートやサイケデリック、浮世絵など多様な要素を取り入れた独自のスタイルで、商業デザインとファインアートの境界を越え続けてきました。1980年にニューヨーク近代美術館でピカソ展を見て画家になることを決意し、以降は絵画、コラージュ、版画など幅広いメディアで旺盛な創作活動を続けています。
版画への取り組みは1968年、東京国際版画ビエンナーレへの出品作が注目を集めたことに始まります。1981年以降は版画を「絵画の実験室」と位置づけ、木版・リトグラフ・シルクスクリーンなど多様な技法を用いた作品を数多く生み出してきました。2017年には町田市立国際版画美術館でほぼすべての版画作品を網羅した「HANGA JUNGLE」展が開催されました。
横尾忠則氏とCWAJ
横尾忠則氏とCWAJのつながりは長く、52年におよびます。1974年に初めてCWAJ現代版画展に参加して以来、2025年までほぼ毎年出品を続け、これまでに通算69点の版画作品をご出展いただきました。今回の展示のためにアトリエを訪問した際には、「今のところ週2、3日しか制作していませんが、展覧会が近づくと毎日アトリエに来ますよ」と語ってくださいました。大きな窓の外に緑が広がるアトリエの壁には、制作中の力強い油絵が数多く立てかけられていました。
今年のCWAJアソシエイト・ショーでは、横尾忠則氏の創作の軌跡から選りすぐった38点のオリジナル版画を一堂に展示・販売いたします(一部非売品あり)。これは、ジャンルも時代も超えて日本と世界の観客を魅了し続ける一人の芸術家への、深い敬意と祝福の場でもあります。
本展の開催にあたり、多大なご協力をいただきました横尾忠則氏ならびに有限会社アートプラネット・ワイ、株式会社ヨコオズ・サーカスに深く感謝申し上げます。
1936年、兵庫県西脇市生まれ。1966年、東京での初個展を機に三島由紀夫と出会い、同年、パリビエンナーレ版画部門でグランプリを受賞。1970年には日本万国博覧会「せんい館」のパヴィリオンをデザインし、その後ニューヨーク近代美術館、ハンブルク工芸美術館、アムステルダムステデリック美術館など海外での個展を開催。モーリス・ベジャール振付『ディオニソス』の舞台美術を手がけ、パリ・ベネチア・サンパウロの世界3大ビエンナーレに招待出品するなど世界的に活躍する。2012年神戸に横尾忠則現代美術館が開館。2013年香川県 豊島に豊島横尾館が開館。
近年もパリのカルティエ財団現代美術館、東京都現代美術館、東京国立博物館など内外の美術館で多数の個展を開催。主な受賞、綬章に毎日芸術賞、ニューヨーク ADC 殿堂入り、紫綬褒章、旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞など。令和2年度東京都名誉都民顕彰、2023年日本芸術院会員、文化功労者に選出。2026年には全ポスターを網羅した作品集がベルリンのhesignより、大型作品集『Tadanori Yokoo』がロンドンのテームズ&ハドソンより刊行された。作品はメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、大英博物館、ポンピドゥ・センター・メス、ウフィツィ美術館など世界各国の多数の主要美術館に収蔵されている。