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CWAJ/VVI Newsletter 2022新年号

CWAJ/VVI Newsletter  2022新年号

目次

  1. ご挨拶~運を引き寄せられるか?
  2. 東京パラリンピックアスリートインタビュー~石浦智美(いしうら ともみ)さん
  3. 第64回CWAJ現代版画展特別企画~版画家宮山加代子(みややま かよこ)によるアーティスト・トークのご報告
  4. 川畠成道(かわばた なりみち)チャリティーコンサートチケット販売のお知らせ
  5. 編集後記

 

CWAJ = College Women’s Association of Japan

SVI= Scholarship for the Visually Impaired (視覚障害学生奨学金)

VI = Visually Impaired

VVI = Volunteers for the Visually Impaired (視覚障害者との交流の会)

 

 

  1. ご挨拶~運を引き寄せられるか?

皆様、新年あけましておめでとうございます。年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか?地域によっては大雪に、全国そして全世界は常にコロナと共に時間が流れていたと思いますが、皆様がそれぞれの場所ですてきな時間を過ごされていたことを願います。

さて、私は昨年後半からあることに取り組み始めました。それは週に1回のゴミ拾い散歩です。文字通り散歩にでかけた時に道端に落ちているゴミを拾うというものです。なぜこれを始めたか?昨年アメリカの大リーグで大活躍していた大谷(おおたに)選手の話に影響を受けてのことです。ちょうど地域のイベントでゴミ拾いをすることがありました。そしてその直後に「(大谷選手が日々ゴミを見つけたら拾うようにしているそうなのですが)、それは高校生の時からの習慣、選手として成功するためには運も必要で、ゴミ拾いなどをすることでその運を引き寄せるため」という話を耳にしたのです。実際にゴミを拾うことで運を引き寄せられるかどうかは別として、かんたんにできる社会貢献だからということで始めてみました。

そうすると・・・なぜこんなところにペットボトルが?タバコの吸い殻がこのあたりに多いのは、あそこの喫煙所から吸いながら歩いてきてこのあたりで・・・?などと推理しながら歩くことになり、ちょっとした新しい刺激になっています。

さて前置きが長くなりましたが、今年最初のNewsletterをお届けします。今回は、昨年開催されたパラリンピックに出場されたアスリートへのインタビューや、3月に開催するチャリティーコンサートチケット販売情報などなど。どうぞお楽しみ下さい。尚こちらのNewsletterは、下記のCWAJホームページでもお読みいただけます。

https://cwaj.org/jp/education/volunteers-for-visually-impaired/

 

  1. 東京パラリンピックアスリートインタビュー~石浦智美(いしうら ともみ)さん

 

2021年を振り返る時、きっと多くの方々の脳裏に夏のオリンピック・パラリンピックのことが浮かぶことでしょう。コロナ下の開催で、観戦はテレビを通してとなりましたが、多くの感動や刺激をもらった方もいらっしゃることでしょう。CWAJのVI フレンズの中には、選手や選手のご家族がいらっしゃることをご存知でしょうか?

今回は、2008年のSVI国内奨学生で、東京パラ競泳に出場された石浦智美さんにお話をうかがいました。大会終了後、様々な団体やメディアから講演やインタビューで引っ張りだこだった石浦さんですが、この度は貴重な週末に時間を割いて下さり、オンラインインタビューに応じて下さいました。

 

■石浦さんの出場種目と結果(S11=視覚障害のクラスでもっとも障害の重いクラス)

50m自由形(S11) 7位

混合*4×100m49ポイントフリーリレー 5位

100m自由形(S11) 8位

*混合:男子2名女子2名の合計4名の選手で構成されるチームによるリレー

 

■水泳との出会い、そして世界を目指すまで

水泳を始めたのは2歳の頃のことです。病弱だったため、少しでも体質改善になればと医者から勧められたことがきっかけです。水遊び感覚で楽しんでいました。競技として取り組み始めたのは10歳頃のことです。地元で障害者スポーツを広める活動をしていた方に障害者水泳大会への出場を勧められ、挑戦してみたのです。子供世代は選手層がまだまだ薄いころでしたので、子供用のレースというのはなく、大人と競い合うのが普通でした。そんな日々を送っている時、2000年のシドニーパラリンピックが開催され日本選手の活躍を見ました。河合純一(かわい じゅんいち)さんや成田真由美(なりた まゆみ)さんなど、皆さんもご存知のことと思います。そのような選手の活躍を見て「かっこいいなあ、自分も出てみたい」と感じたのです。これはまだ小学生の時のことです。2003年東京の視覚特別支援学校への進学をきっかけに、本格的に世界を目指して競技に打ち込むようになりました。競技人生はもちろんたいへんなこともあります。でも純粋に競技そのものをやめようと思ったことは一度もありません。常に努力し続けてこられた一番の原動力、それは「一番早く泳げるようになりたい」という強い思いです。

 

■大会を振り返って

3種目に出場しましたが、それぞれ印象に残っています。

まず50m自由形では、決勝が再レースとなりました。これは2位と4位の選手がレース中に接触してしまったことを受けて、両者からの申し入れ並びに全出場選手の同意を得た上で大会側が決定したことなのですが、とてもまれなケースです。言ってみれば宝くじに高額当選するよりまれなことです。再レースでも自分自身のレースができたことは嬉しく思います。

もっとも大きな達成感としては、混合リレーでアジア新記録を出せたことが挙げられると思います。

100m自由形では、決勝で自己ベストを出すことができ、自分でもそこを評価しています。

コロナ下での大会1年延期、制限付きの練習環境ではありましたが、率直にいうと「焦ってもしょうがないな」と思っていたので、オンラインでコーチとつないで自宅でトレーニングをするなど、自分にできることを着実に日々積み上げて大会に備えました。開催の是非を含め、今回の大会については様々な意見が社会全体で飛び交っていましたが、自分ができることに集中すること、それを常に心がけていました。

 

■東京パラリンピックがもたらしたこと~未来に向けて

2013年に東京パラリンピックの開催が決定したことで、障害者スポーツを取り巻く環境は大きく変わりました。それ以前に比べると、公的な金銭的補助が増え、練習場所も確保しやすくなりました。残念ながらオリンピックスポーツやその候補選手が享受しているそれらと比べると3割4割程度でしかないかとは思いますが、以前に比べるとずいぶん整備が進みました。これが今後よりよくして行けるか、またトップアスリートだけではなく一般のスポーツを楽しみたい障害者も自由にスポーツを楽しめる環境がどれだけ整備されて行くか、それが今後のひとつの課題だと思います。どのような人もスポーツを楽しめるための条例などもあるにはありますが、障害者が自由に使用できるスポーツ施設は非常に限られているというのが現状です。

日本は「もし何かあったらいけないので・・・」ということがまず先行しがちです。障害者の可能性を引き出すことを第一に考える社会になってほしいと思います。

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CWAJ奨学金を受賞された2008年にはすでに国際的な選手として活躍されていた石浦さん、奨学金受賞のご挨拶でも水泳に対する思いを語っていらっしゃいました。石浦さん、私達に感動をありがとうございました。今後ますますのご活躍を応援しています!

冒頭で「CWAJのVI フレンズの中には、選手や選手のご家族がいらっしゃることをご存知でしょうか?」と書かせていただきました。今回は選手として活躍された石浦さんにお話をうかがいましたが、1980年代に、視覚障害学生奨学金を受けられた堀越善晴(ほりこし よしはる)さんのご子息信司(ただし)さんが、パラ陸上・マラソン男子の部で銅メダルを獲得されたこともこの場をかりてお知らせいたします。

 

(記 安原理恵(やすはら りえ))

 

 

  1. 第64回CWAJ現代版画展特別企画~版画家宮山加代子(みややま かよこ)によるアーティスト・トークのご報告

 

一昨年から始まった新しい形の「ハンズ・オン・アート」のプログラムであるアーティスト・トークが版画家宮山加代子氏をお迎えして昨年10月23日にオンラインにて開催されました。CWAJの会員106人、視覚障害のあるゲスト22人から申し込みがあり、宮山氏の講演に続いて、参加者から沢山の質問が寄せられ、楽しい語らいのひと時がもたれました。

視覚障害のある参加者には事前に2021年の宮山氏の出展作品「マグノリア」と宮山氏の版画の中から、「葡萄」の立体コピー、そしてマグノリアの花弁の形に切り抜いて香料を振り掛けた和紙が届けられ、お話とともに楽しんでいただけたようです。

参加した方々からの感想を抜粋してお届けします。

 

「Egyptからの参加者もいらしてびっくりしました!亜鉛版や合成リノのような素材を使って作品を手掛けている方のようでしたが、日本の作家の生の声を聴く機会も限られていて気候も違う土地で木版画のような風合いにご興味がある様子に、改めて長い木版画の歴史を持つ日本人として歴史や技法を学んで、いつか誰かに聞かれたときにきちんと説明できるようなことを少しずつ増やしていきたいなぁと思いました。」

 

「事前に香り付きの和紙と版画の立体コピーをご準備いただいて、作品に使われている和紙の手触りや香りに包まれながら、もしかしたら実際に目で見るよりも作品の世界観を堪能できたのかもしれません。宮山さんのご説明もおそらく視覚に頼らなくてもわかるように色々とご配慮を重ねてくださったのが伝わって有り難い気持ちでいっぱいになりました。短い時間で作品の技術的なことから草花の一瞬の息吹を作家をフィルターにして多くの人の心に届ける工程が本当に良く伝わってきました。」

 

「和紙に香料を振りかけて作品と一緒に、というアイデア、宮山先生が出してくださったのですね。どうすれば見えない人にもプログラムを楽しんでもらえるかを考えてくださったこと、そしてご多用のところ時間を割いて、和紙をご用意くださった優しさに、とても感動しています。」

 

ご参加ありがとうございました。今後もアートを一緒に楽しむ企画を考えていきたいと思います。皆様のご参加をお待ちしています。

 

Hands-on Art委員会

 

 

  1. 川畠成道(かわばた なりみち)チャリティーコンサートチケット販売のお知らせ

 

皆さま、

直接お会いする機会がなくなって2年、お元気でお過ごしでしょうか。今年最初のVVIのイベントは、ヴァイオリニスト川畠成道氏をお招きしての、チャリティー コンサートです。メンバー一同、皆さまと久しぶりに楽しいひとときを過ごせることを願っております。

 

川畠成道チャリティーコンサート

日時:2022年3月21日(月曜日、祭日)14:00-16:00

会場:自由学園、明日館(じゆうがくえん みょうにちかん)

(東京都豊島区西池袋2-31-3 (JR目白駅から徒歩7分)

チケット:5,000円(学生とVI friendsは3,000円)

チケット発売日:2022年1月10日

チケット購入方法は2通りあります。

1:銀行振込:お名前、枚数、携帯番号をconcert “@”cwaj “.” org に通知の上、

りそな銀行 目黒駅前支店 (店番518)(普)2025735 一般社団法人CWAJへ、お申込み枚数の合計金額をお振込みください。振込料は購入者のご負担となります。

 

2:コンサート当日現金でお支払い:枚数、お名前、メールアドレス、携帯番号を

concert “@” cwaj “.”org

にお知らせのうえ、お釣りのないようにしてお持ちください。

 

チケット購入者は全員、当日の行事保険(東京都社会福祉協議会)登録のため、参加者のお名前、ご住所、電話番号を同じくconcert “@” cwaj “.”org

にお知らせください。なお、チケットが売り切れしだい販売終了となります。

チャリティーコンサート委員会

 

  1. 編集後記

今回も最後までお読み下さりありがとうございました。

この場を借りてひとつお知らせがございます。私、安原理恵が2019年冬号から本Newsletter編集を担当させていただいてきましたが、この度編集担当を卒業させていただくこととなりました。皆様に少しでも楽しい話題をお届けできていましたなら幸いです。2年間ありがとうございました。次号からは、石井ふみ子(いしい ふみこ)が担当をさせていただきます。石井ふみ子は長年VVIの活動に関わっておりますので、皆さんの中にも何度もお会いになっておられる方がいらっしゃるかもしれません。きっと長年の活動経験を生かして、楽しいNewsletterを届けてくれることと思います。

2022年が皆様にとってすてきな年になりますように、そしてまた直接お会いできる日々が早くもどって来ることを祈りつつ。今後ともNewsletterをどうぞよろしくお願いいたします!

Newsletterで取り上げてほしいトピックなどありましたらぜひ以下までご連絡下さい。感想なども大歓迎です。

また、メールでのNewsletterの受け取りをご希望の方も、下記にご連絡下さい。

(連絡先)

VolunteersVI  “@”  cwaj “dot” org

 

 

Newsletter Editor(編集担当):安原理恵

Distributor(発送担当):本村理子(もとむら みちこ)

 

Word: VVI ニュースレター2022新年号

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