College Women's Association of Japan
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特別展

CWAJ創立75周年記念特別展

「道を拓いた女性たち――篠田桃紅、吉田千鶴子、岩見禮花、柳澤紀子、辰野登恵子」

男性中心の日本の美術界にあってさまざまな社会的制約に直面しながらも、バリアを乗り越えて芸術を追求し、版画界で女性が活躍する基礎を築いた先駆者たち。CWAJ創設75周年を記念して、CWAJとゆかりの深い5人の女性巨匠の入手困難な作品を集めた貴重な企画展を2つの会場で開催いたします。

それぞれ異なる作品を展示しますので、ぜひ2か所ともご高覧ください。

1) 東京アメリカンクラブ B1
フレデリック・ハリス・ギャラリー,  港区麻布台2-1-2
10月8日(火)-11月5日(火)

2) ヒルサイド・フォーラム
(第67回CWAJ現代版画展と同時開催)

Courtesy: 岐阜現代美術館
篠田桃紅 (1913-2021)

女性は結婚して家庭に入ることが当たり前の時代に、23歳の篠田は書で生計を立てる決心をする。1956年、単身渡米。前衛芸術が盛んだったニューヨークで成功を収めるが、1958年帰国。その後は国内で制作して、海外で個展を開催という形をとる。1960年頃からリトグラフ制作を始め、1960-70年代には国内でも壁画などの大型作品を手がける。100歳を超えても、独自の道を追求しつづけた。CWAJの女性が女性の教育を支えるという理念に共鳴した篠田は、長年にわたり惜しみないサポートを提供した。

CWAJ版画展には1966年より、50回出展

Journey
*東京アメリカンクラブ 展示
惜春
*東京アメリカンクラブ展示
吉田千鶴子(1924-2017)

美術界の名門、吉田家に嫁いで千鶴子の芸術家としてのキャリアは大きく転換し、取り組む作品も油彩画から版画に変化した。千鶴子は日本の画壇ではどこに所属しているかが大きな意味を持つと認識して、いくつかの芸術家団体に参加した。1956年には、岩見禮花をはじめとする、9名の女性版画家たちと共に、「女流版画協会」を設立し、作品発表の機会を提供した。1987年以降は、国内外で個展、グループ展を開催した。

1956年の第1回CWAJ現代版画展より42回出展

Lyrical C
*代官山展示
砂漠の夜
*東京アメリカンクラブ展示
岩見禮花 (1927-2020)

1953年、日本版画協会にデビュー。当時は圧倒的に男性中心だった版画の世界に飛び込む。1956年には吉田千鶴子、島珠実をはじめとする9名の女性版画家と共に、「女流版画協会」を立ち上げる。墨の黒、金箔、銀箔、木目を用いた岩見の大胆な抽象表現スタイルは、米国の著名な小説家であり版画コレクターでもあるジェームス・A・ミチュナー氏が当初、男性作家の作品と思いこむほどであった。

CWAJ版画展には1957年より54回出展

走る水A
*代官山展示
水の譜
*東京アメリカンクラブ展示
柳澤 紀子 (1940-)

1959年に東京藝術大学に入学した柳澤は、銅版画の黄金時代の担い手、駒井哲郎氏に師事。のちに柳澤は武蔵野美術大学で大学教授として学生たちに発表の機会を提供する活発な活動を続けた。現在も国内外で展覧会を開催し、毎年新作を発表している。

CWAJ版画展には1969年より24回出展

旅の終り
*代官山展示
水邊の庭
*東京アメリカンクラブ展示
辰野登恵子 ( 1950-2014)


辰野が活動を始めたころ、日本は経済大国となり、多文化主義が世界に広がっていた。在学中に同級生と「コスモス・ファクトリー」を結成。1994年、横浜美術館で開催された「戦後の日本前衛美術:空へ叫び」展に参加、国際的に評価を得る。1995年には東京国立近代美術館で「辰野登恵子1986-1995」が開催され、同美術館で個展を開催する初めての女性、なおかつ、最年少のアーティストとなった。

CWAJ版画展には1995年より2回出展

AIWIP-27
*代官山展示
Sept-28-98
*東京アメリカンクラブ展示