2009年 IUC奨学生 キット・ブルックス

アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター Inter-University Center for Japanese Language Studies(IUC)

1. 自己紹介をお願いします。

キット・ブルックスです。現在、米国、プリンストン大学美術館でアジア美術担当学芸員として働いています。素晴らしいコレクションと長い歴史を持つ素敵な美術館で仕事ができて、とても嬉しく思っています。今はコロナ渦で、在宅で仕事をしていますけど!アート作品に囲まれて仕事ができないのは寂しいですが、スタッフ全員、展覧会の企画や研究プロジェクトに忙しく取り組んでいます。私は、これから数年の間に美術館で開催される2 つの創作版画展の準備を進めているところです。Zoom や他の仮想プラットフォームを使って講義することにも慣れてきました。離れてはいても、アートについて一般の方々と対話できることは、本当に素晴らしいと思います。

2. CWAJ との関係は。

2009 年IUC 奨学生です。博士号取得の研究のため早稲田大学に在籍していた期間も含め、その後数年間、CWAJ の版画展に携わりました。でもCWAJ との最初の出会いは、1985 年、イギリス博物館で働いていた頃です。CWAJ 版画展での展示の後、博物館に贈呈された作品を再収納することが、私の最初の仕事のひとつでした。ですから私にとってCWAJ は、とても長い間身近にいた存在だと感じています。

3.今後の目標は。

これからも引き続き、日本の芸術に焦点をあてて仕事をしていきたいと思っています。常に新しいことを学んだり、アート制作の新たな分野に触れる機会に恵まれ、飽きることを知りません。プライベートでは犬を何匹か飼って、木工にも挑戦したいですが、それにはもっと広い部屋に住まなくてはいけませんね!

4.若い頃の自分に言いたいことがあればなにですか。

いっぱい写真を撮って!人生の大きな出来事は記憶に残りやすいけれど、日常的なやり取りや場所の記憶は、数年経つと曖昧になってしまいがちです。それと、もっと早く日本語の勉強を始めましょう!24 歳では遅すぎ。笑。

5.CWAJ の今のメンバーや、これからの奨学生に言いたいことは。

CWAJ の経験は、予想もしないかたちで貴方の人生を豊かにします。10 年以上前、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター(IUC)で日本語を学ぶため奨学金を受けた時、CWAJ での時間やそのメンバーとの友情が、その後の私の人生にどんなに影響を及ぼし続けるか想像もしていませんでした。創作版画についても、またヤグラ・ナオコさん、ヒラマツ・パトリシアさんをはじめ、版画展委員会のメンバーからも多くのことを学びました。江戸時代の美術に関する仕事をしていますと、タツケ・アキコさんのお陰で観劇することができた、歌舞伎の場面を思い出します。今も、ナガセ・レイコさんとカナダ・ペギーさんから長年にわたって贈られた、多くの美しい美術館のカタログに囲まれています。これらの、そして数えきれないほどの素晴らしい思い出に、心から感謝しています。

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